2017.02.17

「WBCはテキトーにやりますよ」。
中田翔がそう繰り返す真意は?

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

中田翔インタビュー(前編)

 日に日に迫るWBCに照準を合わせながら、その先にはプロ10年目のシーズンが待っている。順調なら国内FA権を取得するなど、2017年は中田翔の野球人生において大きな節目のシーズンとなる。だが、中田の心は揺れていた。

「難しいよね、難しすぎる。シーズンの準備だけなら、この時期にこんなに振らないし、もっとゆっくり調整しているから。正直……ものすごく不安。WBCを戦ったあとのレギュラーシーズンに対する不安が、今はかなり大きいですね」

一昨年のプレミア12では日本代表の主軸として活躍した中田翔 中田翔という男は、おそらく世間で知られている印象とは違い、非常に繊細な一面を持っている。”怪物”と評されていた大阪桐蔭時代、3年の春先からバッティングに悩み「もうホームランは打てないかも……」と大真面目に口にしていたことがあった。また、ドラフト前にも「指名がなかった夢を見た。本当にかからなかったら、どうしたらいいんですかね」と、やはり真剣な表情で語っていた。

 こうした人間臭さも中田の魅力であり、多くのファンを引きつける理由なのだが、日本代表の中軸として、そして連覇を狙う日本ハムの4番として、今の中田はもがいていた。

「(WBCに出場する)どの選手も悩んでいると思うけど、シーズンへの気持ちの持っていき方がホント難しい」

 前回の第3回WBCでも中田は日本代表として戦ったが、「WBCもシーズンもうまくいった人っていた?」とつぶやき、こう続けた。