ルーキー加入で激化。7人の西武ショート定位置争いを制するのは誰だ (5ページ目)

  • 菊地高弘●文・写真 text&photo by Kikuchi Takahiro

 実は、馬場コーチにも話を聞いていたのだが、源田が社会人時代に守備を評価されていたことを告げると、怪訝な表情で「そうなの?」と返されてしまった。1995年の日本シリーズでオリックスのサードとして神がかったプレーを連発した職人肌だけに、守備を見る目は人一倍厳しい。それゆえ、まずは厳しい指摘が口をついた。

「プロの内野手はいかに基本の動きをやってくれるか。アクロバティックじゃなくていいから、いかに堅実にピッチャーが打ち取った打球をしっかりと捕って、アウトにするか。その積み重ねなんだよ。その意味で、源田はクリアすべきことは多い。だから毎日、何らかの形で守備練習をやっているよ」

 ただし、馬場コーチが苦言を呈したのは源田だけではない。永江も呉も、誰について聞いても「まだまだ全然だよ」と手厳しかった。何とか長所を聞き出そうと、「それぞれにいいものは持っているわけですよね?」と向けても、「それがあるからプロに入ってきているわけだからね」と手綱を緩めることはなかった。

 求める次元が高いからこそ、そして「もっとやれるはず」という手応えを感じているからこそ、馬場コーチは若い遊撃レギュラー候補に厳しい言葉を向けるのだろう。最後に馬場コーチは「みんなまだまだだけど、その中からレギュラーが出てきてくれればね」と初めてポジティブなコメントをくれた。

 そんな馬場コーチに日々こってり絞られ、さらに打撃という課題を抱える源田。キャンプでのフリー打撃では打球に強さが感じられず、明らかに呉や永江に見劣りした。

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