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「マー君、マエケンと同じ匂いがする」
寺島成輝、プロ1年目の青写真

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Kyodo News

 1月9日に始まったヤクルトの新人合同自主トレで、ドラフト1位の寺島成輝が"快走"を続けている。自主トレ2日目に行なわれた1キロ走では3本いずれも1位でゴールし、1本目から3分35秒、3分24秒、3分19秒と走るたびにタイムを短縮。5日目の12分間走でも他の新人を圧倒し、3125メートルを走破するなど、持久力の高さを見せつけている。

1年目からの活躍が期待されるヤクルトのドラフト1位ルーキー・寺島成輝1年目からの活躍が期待されるヤクルトのドラフト1位ルーキー・寺島成輝 入寮目前だった1月4日、母校・履正社の練習グラウンドで汗を流す寺島がいた。後輩に混じり、リラックスした表情で体を動かし、今年のドラフト上位候補の安田尚憲らとティー打撃を行ないながら、バッティング談義を楽しんでいた。

 その後、ベンチ裏で今の心境を尋ねると、「まだ何も変わらないです。行ってからですよ」と涼しい顔で返してきた。高校時代の3年間、寺島を取材してきたが、ピッチング同様、インタビューもいつも落ち着いた表情で答えていたのが印象的だ。

 そんな寺島だが、ドラフト時の指名会見や入団会見などでは記事の見出しになるような目標を語ってきた。「新人王を目指したいです」「開幕ローテーションに入りたい」「1年でも息の長い投手に」「200勝できるように頑張りたい」など......。求められる答えを察し、程よく返すのが寺島らしさでもあった。だがその一方で、インタビューでは率直な思いを口にしていた。

「実際に行ってみてからです。投げてみてどう感じるか。それからでないと、何もわかりません」

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