元メジャースカウトが語る「大谷翔平、メジャーでも二刀流」のハードル (2ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 西田泰輔●写真 photo by Nishida Taisuke

 当然、ポテンシャルは高いですよ。高校時代だって、ほとんどバッティング練習をしなくても平気でホームラン打ってましたし、去年も僕が見た中で一度だけ、インコースをクルッと回って打ったんです。あれが身についた技術なのか、突発的にできてしまったのかはわかりませんが、実際、今はピッチングよりもバッティングのほうが腕をソフトに使えていることは確かなんです。ピッチングはサイボーグみたいに腕を固めてガーンと投げてますけど、バッティングでは腕を柔らかく使えている。だから彼がピッチャーではなくバッターとしてマイナーで年間600打席、3~4年で2000打席に立っていたら、イチローと松井を足したようなバッターになったかもしれません。それでも、繰り返しになりますが(苦笑)、ピッチャーならサイ・ヤング賞を何度も獲れる世界一の器なんです。二刀流をやっているうちはどちらにも多くは望めないでしょうし、故障のリスクも高くなると思うんです」

 とはいっても、去年の結果で大谷自身も二刀流に自信を深めたのか、このオフには「高いレベルで(二刀流を)やってみたいという気持ちはある」と、メジャーでの二刀流志向をハッキリと口にした。同時に「本気で(二刀流を)思ってくれる向こう(メジャー)の球団があるのかどうか」とも話しており、かなり具体的にメジャーでの二刀流をイメージし始めていることが窺える。

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