広島カープは最大の敵「負けられない」という
意識を払拭できるか (2ページ目)
そうした確固たる意識がチームにあれば、広島に無用な負荷はかからず、シーズン同様の戦いができるはずだ。
シーズン終了からここまで、広島は自らその作業に時間を費やしてきたように思う。全体練習が再開された今月2日から最初の休養日までの5日間は、控え組の若手だけでなく、主軸の菊池涼介や丸佳浩も懸命にバットを振り込んだ。ベテランの新井貴浩でさえ連続ティー打撃を行ない、苦悶の表情を浮かべるほどだった。
石井琢朗打撃コーチは、「CSはおまけくらいの気持ちでいいと思っている」と言い、東出裕輝打撃コーチも「来年を見ているところもある。野間(峻祥)は、シーズン終盤からキャンプのようなもの」と言い切る。CSよりもさらに先を見据えることで、選手にかかる重圧を解こうとしている。
打線のカギを握るのは、ペナントレースで"ビッグレッドマシンガン"とも言われた強力打線をけん引した"タナキクマル"の上位打線だ。チーム684得点のうち292得点を3人でたたき出した。当然、DeNAも上位打線を徹底マークしてくるに違いない。警戒網をかいくぐってレギュラーシーズン同様に、上位3人で塁上をかき回すことができれば相手に大きなプレッシャーとなるだろう。
一方で石井打撃コーチは、「カギは、6、7番かな」とも言う。シーズン終盤にテストした下位にルナとエルドレッドが並ぶ新打線だ。彼らに下位を任せることで上位打線の負担を軽減できるし、相手バッテリーに気を緩める隙を与えない。これがはまれば、その効果は計り知れない。
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