藤川球児が語った「タテジマの誇りとタイガースへの想い」 (4ページ目)

  • スポルティーバ●構成 text by Sportiva
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihito 寺崎敦●取材協力 cooperation by Terasaki Atsushi

藤川 それが野球の奥深さだと思うんです。バットを持っている限り、相手はヒットを打つ可能性も、得点する可能性もある。その抑える確率をいかに高くするか、それがピッチャーというか、プロの能力の高さだと思うんです。平均点を高くすることが大事だと、僕は思っています。

中谷 先発転向でプレーヤーとして新鮮な気持ちはある?

藤川 先発することでモチベーションは高いです。週末に投げることになれば、見に来る子どもたちの数も増える。そのためにも若々しいピッチングをしないと(笑)。「今日、見に来てよかった」と思ってもらえるような試合にしないといけないですから。

中谷 責任という部分では、昨年、日本に戻ってきた広島の黒田(博樹)さんと重なる部分がある。

藤川 僕も仕事をする以上、楽なことをするつもりはありません。今はしっかり先発の仕事をまっとうするだけです。それに、求められるのであれば、リリーフだってやりますよ。先発がダメになったからやるのではなく、リリーフが足りなくなったから「頼む、ごめん」と。そう言われてもいいように、動ける準備、メンタルは整えていきます。

中谷 役割やポジションが変わるって、正直しんどいやろ?

藤川 それは仕事ですから。しんどかったときこそ、自分もチームも勝っていたので……。それもいいんじゃないかなと思うんです。あと5年、10年やっていこうと思うなら嫌かもしれないですけど、それはないですから。「この1年がすべて」という気持ちです。大好きな野球を楽しませてもらっているので、そこはチームのために頑張りたい。「やってやろう」という覚悟は、もちろんあります。

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