ヤクルトに拾われた男・坂口智隆が連覇の使者となる! (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

 杉村繁チーフ打撃コーチに坂口の印象について聞くと、こう答えてくれた。

「最初のイメージとはいろいろと正反対だったね。年間最多安打のタイトルを獲っているので、コンパクトなスイングをする打者だと思っていたんだけど、体に力があり、スイングも打球も速い。パ・リーグらしい打者だよね。性格の面でも、あの風貌を見るとやんちゃなイメージがあったけど、練習熱心だし、素直だよね。昨年は1番打者で苦労したけど、これだったらいける。坂口には交流戦でよく打たれていた印象があったし、ヒットの打ち方を知っていて、選球眼もある。ウチの1番にうってつけの存在。オレとしては『なんでこんな選手を(オリックスは)手放したの』という感じだよね」

 杉村コーチは、「シーズン180本打とうぜ。そうすればタイトルに近づくよ」と坂口と話し合ったことを教えてくれた。「シーズン180安打」は、過去に山田や川端が目標に設定した数字だ。

「これまでの実績があるからね。本人も180本はまだ打ったことがないので、実現したいと言っていました。ここ数年の不振は、ケガの影響もあっただろうけど、なぜいい状態を続けられなかったのか。今回、チームが変わって心機一転の気持ちもあるだろうし、坂口には気分よく打席に立たせてあげたいよね。そうすれば間違いなく打つと思います。技術的にはなにも言うことがないんだから」(杉村コーチ)

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