栗山監督が語る「打倒ソフトバンクで噴き出すマグマと大谷翔平」 (4ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihito

 えっ、DHをどうするかって?

 もちろん、翔平はDHだよ。投げる、打つ、守るということを3つさせるつもりはない。翔平はピッチャーと野手の二刀流じゃなくて、ピッチャーとバッターの二刀流だから。守るというところは省いてあげなきゃいけないと思ってる。

 コンちゃん?

 今年はコンちゃん(近藤健介)のDHはないよ。

 去年はキャッチャーとしてボールを投げられなくなったコンちゃんを見て、切羽詰まってDHで起用したけど、だからと言って22歳 でDH固定なんて、あり得ない。翔平がいるウチのチームに、DHは必要ないんだ。それはみんなに言ってる。DHというポジションがあると思うなって。ウチのチームはDHを作っちゃいけない。たまたま、もうひとり打つなら誰だって話になって、その時々で選手をDHに入れてるだけで、DHだけの選手はいらないんだよ。DHは大谷翔平、そして翔平が投げるときは、その都度、誰かがそこに収まればいい。

 コンちゃんは素晴らしいキャッチャーだからね。バッターの気持ちを理解したリードができるし、去年だって、キャッチャーとしての勝率はコンちゃんが一番でしょ。コンちゃんが先発マスクをかぶった試合の勝率がウチは一番高いんだ。今のコンちゃんは投げることを怖いと思ってしまっているのかもしれないけど、彼は打てる選手なんだから、キャッチャーができたほうがいいに決まってる。ましてや、あの歳で……もちろん、コンちゃんのことだけを考えるわけにはいかないし、チームが勝つために何が最善かを考えたとき、コンちゃんには他の選択肢もあるよ。外野の選手がケガをすれば、コンちゃんがそこに収まる可能性もあるし、彼は内野もできる。そういうことが必要な流れになれば、そのきっかけを見落とさないようにしないといけない。それは、いつも考えてる。野球の神様がサインを送っているのを見落とさないようにしないといけないからね。

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