2016.03.07

プロ20年目、41歳の黒田博樹が新たに覚える「打ちづらい球」

  • 前原淳●文 text by Maehara Jun
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 1年前とは対照的な滑り出しとなった。

 3月6日、黒田博樹はマツダスタジアムで行なわれた西武戦でオープン戦初先発を果たした。しかし、3回にメヒアの打球を左足にダイレクトで受けて、3回途中6安打3失点で降板した。

日米通算200勝まであと7勝に迫っている黒田博樹

 8年ぶりに広島復帰した黒田フィーバーに沸いた1年前に遡(さかのぼ)りたい。昨年のオープン戦初登板となった3月8日ヤクルト戦は、5回一死まで打者13人を相手にわずか39球、無安打無死点と完璧に抑えた。今年は3回2/3で6安打3失点。単純に比較すると、結果的にも内容的にも物足りなさを感じるだろう。

 だが今年は、日本球界復帰1年目ではなく、2年目ということが大きく影響している。昨年と今年とで決定的に違うのは、1年間のデータがあるということだ。昨季は日本仕様にアレンジすることを求められながらも、メジャー7年間で培ったものを押し出すしかなかった。しかし、今季は昨年の経験を踏まえて修正、工夫することができる。

 そして黒田がキャンプ前に公言していたのがチェンジアップの習得だった。これは対左打者対策の意味合いが大きい。昨年、左打者の被打率は右打者の.227を大きく上回る.277だった。特に、ミートポイントを体の近くに引き寄せて打つ小柄なタイプの打者に苦戦した印象がある。

 昨年の黒田は、カットボール、ツーシームを中心に組み立てながら、スライダーとスプリットを交える投球スタイルで、ストレート系の球種がほとんどだった。そこに緩急をつけられるチェンジアップを加えることで投球の幅を広げようという狙いだ。