2016.03.02

阪神・西岡剛の自信「僕が試合に出ることが最大の補強になる」

  • 岡部充代●文 text by Okabe Mitsuyo
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 1年前とは明らかに表情が違っていた。2月中旬、沖縄・宜野座のグラウンドに立つ西岡剛を見て、「いい顔」をしていると思った。それ以外に言葉が見つからなかったほどだ。激励に訪れていた母・昌子さんは「(ロッテ時代に首位打者を獲得した)2010年と同じ顔」と表現。そのことを本人に伝えると、「それは分からん」とそっけなかったが、「でも、楽しいですよ」と続けた。誰よりも近くで、誰よりも長く、その顔を見てきた母が言うのだから間違いない。今年の西岡は「いい顔」をしている。

2010年以来、6年ぶりの首位打者を獲得すると宣言した西岡剛

 1月28日、自主トレを公開したときもそうだった。ハードなトレーニングの合間に笑顔を見せ、報道陣にもジョークを連発。余裕さえ感じさせる受け答えで「ユニフォームを早く着たい」「開幕が待ち遠しい」と言い、今季の目標には「首位打者」を掲げた。

「置かれている立場はわかっています。競争していかないといけないという。でも、試合に出れば目標は首位打者。レギュラーを取るとか、そんな低いものじゃない」

 2年連続でケガに泣かされ、14年は24試合、15年は50試合しか一軍の試合に出られなかった。昨年12月の契約更改では7200万円ダウンの大減俸(金額は推定)。これは、野球協約が定める1億円超での減額制限40%に達するものだった。普通の選手なら、もっと悲壮感が漂うはずだ。しかし、西岡は「記事で"悲壮感"とか"背水"という言葉を見ますけど、まったくそういう気持ちはありません」ときっぱり。自主トレ、キャンプと時間が流れても、その気持ちは変わらなかった。