気迫が違う。ベイスターズ投手陣を改革する熱血漢・木塚コーチの魂 (4ページ目)

  • 山口愛愛●文・写真 text&photo by Yamaguchi Aiai

 あれから6年、木塚は生涯真っ向勝負の志を選手に伝授している。

「準備の仕方やマウンドに上がるときの呼吸法など、今やっているところ」

 木塚のような強気のピッチングをするためには、ブルペンでの細かな想定と、“自分の力を出しきる力”を養うことがカギという。

 2月20日のオープン戦は黒星スタートとなったが、三嶋一輝が巨人を相手に4回2安打、1失点に抑える好投を見せた。今年から取り組んでいるフォークで阿部慎之助を三振に取ったことも手応えを感じさせる。

 山口は21日、韓国プロ野球のネクセン戦で4四死球を出しながらも、4回無安打、無失点。新しく体得したワンシームも織り交ぜ、3回には一死一塁の場面で、左打者の内角を攻めて併殺打に打ち取った。

「球種が増えるとピッチングの構成が広がる。三上のツーシームや平田の横に動くボールなども増えてきている」(木塚コーチ)

 期待が膨らむ一方で「まだ危機感が足りない。先発6人、中継ぎ6~7人の枠を与えられるのではなく、奪いにきてほしい」と口元を引き締めた。

 現役時代、闘志むき出しでマウンドに上がる木塚の姿が目に浮かぶ。全力疾走、ジャンプ、股割り、これでもかというくらいマウンドを蹴りつけ、掘り起こすルーティン。あの闘志が若い投手たちに宿っていけば、DeNAの勝算は見えてくるに違いない。


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