5年ぶりホークス復帰、和田毅の心意気「松坂世代はまだやれる」 (2ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 ホークスに復帰してすぐにこんな出来事があった。ユニフォームの採寸でのことだ。担当者が「少し大きめかも」と用意したズボンが、はち切れんばかりにピチピチだったのだ。

「大隣(憲司)投手と同じサイズのものを用意したんですけど......」

 大隣といえば、大学時代に「近大の江夏(豊)」とたとえられるなど、がっちり体型の投手。均整のとれた体に見える和田だが、好投手の必須条件とも言われるこの分厚い下半身を見れば、期待度はさらに高まる。

 さらに進化した部分でいえば、球種も増えた。

「以前、日本にいた頃は直球、カーブ、スライダー、チェンジアップの4種類でしたが、アメリカに行ってツーシームとカットボールも投げるようになりました。日本のボールに戻っても、球種はそのままでいくつもりです。自主トレで試投しましたが、感覚はよかったですよ」

 そしてこう続ける。

「昔みたいにバンバン三振を取りにいくようなピッチングよりも、いかに少ない球数で長いイニングを投げるかを一番に考えていきたい。もう歳なので(苦笑)」

 また注目したいのは、松坂大輔との同世代コンビが結成されたことだ。高校時代はともに甲子園に出場したが、その距離感は大きかった。大スターの松坂に対して、和田はベスト8まで勝ち残るも、あくまで"その他大勢"の好投手のひとりに過ぎなかった。その後、早稲田大学に進み、そこで才能を大きく開花させてプロ入りした。

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