里崎智也氏の「打てる捕手」理論。その最低ノルマは打率2割5分 (4ページ目)

  • 島村誠也●取材・文text by Shimamura Seiya  村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

――若返りということでは、中日の谷繁元信が監督に専念することになりました。ポスト谷繁候補となれる選手は? 昨年は谷繁監督をのぞけば、4人がスタメンマスクをかぶりました。杉山翔太が47試合、松井雅人は41試合、桂依央利が32試合に、武山真吾が8試合です。 

「谷繁さんは、僕がナマで見た中で一番上手いと思ったキャッチャーですよ。その後継なんて簡単にはなれませんよ。中日は頭数はいるんですよね。問題はどのレベルを目指すのか。彼らに谷繁さんのレベルを求めるのは酷やろ、と。天秤にかける相手を間違えてますよ。レジェンドですから。谷繁さんが監督に専念したことが、捕手が成長するうえでプラスに働くかどうかは、大きく変わることはないと思います。今までも一緒にやってきて、吸収はできたわけですから」

 里崎氏は打てる捕手の基準として「最低限でこれくらい」と言って、具体的な数字を挙げた。

「ホームラン2桁か、打率.250以上は打ってほしいですよね。そうすればオールスターにも出られるし、捕手のタイトルは総なめですよ。代表のレギュラーにもなれるし、日本一の捕手になれますよ。打てる捕手が出れば、他の選手も『打てない』ことに危機感を覚えるでしょうし。僕も現役時代、他が打って自分が打てないと取り残された気持ちになりましたから」
 
 果たして今シーズン、キャッチャーたちの打棒が目覚める日はくるのだろうか。

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