【12球団分析・ソフトバンク編】圧倒的戦力が抱える「万が一」の不安 (2ページ目)

  • 高野孝介●文 text by Takano Kosuke
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 一方の野手陣も、海外FA権を行使していた松田宣浩の残留が決まり、大幅な戦力ダウンを免れた。メジャーリーグ挑戦を希望した李大浩の去就は現段階で不透明だが、もしチームを去ったとしても内川聖一が一塁に回り、外野には柳田悠岐を筆頭に中村晃、長谷川勇也、吉村裕基、福田秀平、上林誠知と実力者がズラリと名を連ねる。

 他球団のある関係者は次のように語る。

「今のソフトバンクは2~3人主力が欠けたとしても、新戦力が次から次に出てくるので大きな穴にならない。一軍から三軍までの巡回コーチも配置していますし、選手が育つ環境が整っています。選手個人の能力の高さもありますが、組織としての強さを感じますね」

 誰もが認める圧倒的な戦力と組織力――本当に"穴"はないのだろうか。前出の他球団関係者が言う。

「唯一、弱点といわれているのがキャッチャーですが、あれだけの投手陣がいれば誰がマスクを被っても大きな差はないと思います。むしろ心配なのは、これだけの戦力をうまく使いこなすことができるのかということ。やっぱり試合に出場できないと不満を感じたり、腐ってしまう選手が出てきても不思議ではありません。工藤(公康)監督としても、勝ちながらも若手を育てていきたいという思いがあるはずです。そのときにうまく選手を起用できるのかどうか」

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