【12球団分析・阪神編】アオる金本新監督。応える若手は現れるか? (2ページ目)

  • 岡部充代●文 text by Okabe Mitsuyo
  • photo by Kyodo News

 では、実際の戦力はどうかといえば、最下位に沈むこともなさそうだが、いきなり優勝というのも難しそう......というのが正直なところだ。何しろ計算できる選手が少な過ぎる。昨年11月末に行なわれた球団納会で、金本監督は選手たちに向かってこう言った。

「鳥谷(敬)、福留(孝介)、ゴメス、ピッチャーでは藤浪(晋太郎)、メッセ(メッセンジャー)、能見(篤史)、岩田(稔)、福原(忍)。それ以外は全部、ポジションが空いています。ガツガツ取りにきてください!」

 つまり、野手は8ポジションのうち3つしかレギュラーとして認められる選手がいないということ。投手陣も先発4本柱はほぼ固まっているが、5番手、6番手は流動的で、中継ぎは3年連続50試合以上に登板した安藤優也でさえその座を確約されていない。しかも、12月になって2年連続セーブ王の呉昇桓(オ・スンファン)の退団が決まった。新守護神候補としてマテオ、ドリスの2人を獲得したが、外国人選手の場合、ポジション以前に日本の野球に対応できるかどうかの問題があり、どれだけの結果を残してくれるかは未知数だ。

 野手も在籍6年で3度も最多安打のタイトルを獲得し、14年には首位打者にも輝いたマートンが抜けた。その穴を新助っ人・ヘイグが埋めてくれると期待するのは酷というものだろう。すべてはキャンプ、オープン戦を見てからになるが、そもそも外国人頼みではなく、生え抜きの日本人選手が活躍することこそファンの願いであり、常勝軍団作りには不可欠な要素といえる。

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