【12球団分析・阪神編】アオる金本新監督。応える若手は現れるか?

  • 岡部充代●文 text by Okabe Mitsuyo
  • photo by Kyodo News

プロ野球12球団、2016年の戦力分析(6)

 2016年のキャンプインまであとわずか。いよいよ金本阪神が始動する。

 昨年まで4年間指揮を執った和田豊前監督の辞任を受け、球団は03年、05年優勝の立役者である金本知憲氏に監督就任を要請した。12年の現役引退後は評論家としてネット裏から野球を見てきた金本氏。指導者経験はない。

秋季キャンプで2年目・江越大賀を指導する金本知憲監督秋季キャンプで2年目・江越大賀を指導する金本知憲監督

 これまでコーチ経験を積んだ生え抜きか、他球団で実績のある大物監督しか指名しなかった球団の歴史を考えれば、移籍組で指導経験のない同氏の招へいは異例中の異例だったといえる。それだけ「チームを変えたい。強くしたい。一から立て直さなければならない」という思いが強かったのだろう。

 ただ、受けるほうは簡単ではない。05年以来優勝がなく、若手の伸び悩みが指摘されるチームはまさに過渡期。ただでさえ熱狂的なファンを持ち、マスコミの注目度も半端ではない球団だ。誰が望んで引き受けたいと思うだろうか。金本氏も当初は難色を示していたが、交渉を重ねるうち、球団の熱意と本気度を感じ取って受諾。阪神タイガース第33代監督に就任した。

 3年契約を結んだ金本監督は、球団から「2年連続最下位でも3年目に優勝してくれればいい」と言われたそうだ。しかし、それは極端な話で、本当に2年連続最下位になったらファンが許してくれないだろうし、もちろん、監督もその言葉に甘えるつもりはない。就任会見で理想の監督像を問われると「勝たせる監督」と即答し、再建には時間がかかるかもしれないとしながらも、「時間に甘えないように。できるだけ早く結果が出るように。勝ちながら再建できるように」と話した。

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