谷繁元信が今だから語る「プレーイングマネージャーの苦しさ」 (6ページ目)

  • スポルティーバ●構成 text by Sportiva  寺崎敦●取材協力 cooperation by Terasaki Atsushi
  • 小池義弘、五十嵐和博●写真 photo by Koike Yoshihiro、Igarashi Kazuhiro

野村 野村克也さんが兼任監督をやられた時は35歳ぐらいだったもんね。しかも、昔ならまだしも、現代の野球では、やることがいっぱいありすぎる。特に今のドラゴンズは人気回復の面でもアピールしていかなきゃいけないだろうし。

谷繁 兼任と専任とではまたメディアに対する発信の仕方も違ってくるんですよ。選手というものが付いている以上は、選手側にもある程度立たなきゃいけない。でも、ものを言う時は監督の立場です。その辺の難しさというのは、この2年間嫌というほど味わいましたね。

野村 ヒーローインタビューにしたってそうだよな。選手として答えるのと監督として答えるのじゃ内容が変わってくるからね。難しいだろうなと思って見ていたよ。

谷繁 全然違いますね。だから僕は、「今日は選手として聞いてください」っていつも断りを入れるんです。そうしないとすぐ監督としてのコメントを求められてしまうんです。

野村 下手したら都合のいいように変な解釈をされてしまう可能性もあるわけだからね。

谷繁 メディアに対する発信も、どういう形にすればいいだろうかって僕はかなり意識してきました。余計なことは話しませんよ。しょっちゅう話していると、話に深みがなくなってしまい伝えたい時に伝わらないでしょ。でも、ポイントの場面だけでしゃべるように仕向けると、メディアのほうから緊張感を持って接してくれますからね。自分をどうやって表現していくのか。選手にもそれを考えていってほしいですね。

野村 次回は秋のキャンプからかなり熱が入っていた「今年のドラゴンズについて」です。


次回につづく>

■撮影協力/ぐらすうっど(横浜市青葉区)

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