早くも注目。2016年のドラフト戦線をにぎわす5人の逸材 (4ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 もうひとりは、高校生の鈴木将平(静岡高/外野手/左投左打)。おそらく高校生の外野手ではナンバーワンだろう。一昨年、彼が1年生のときも当時・横浜高3年の浅間大基(現・日本ハム)に次ぐ存在だと見ていた。

 174センチ74キロ。決して大型選手ではないが、コンパクトなその体のなかに、外野手として、またリードオフマンとして必要な資質が内蔵されている。

 内野ゴロを内野安打にしてやろうとする意欲。塁に出れば、初球から最高のスタートができる瞬発力と反射神経。スタートの鋭さはオコエ瑠偉(現・楽天)に匹敵し、塁間のスピードなら上かもしれない。

 2ストライクまではフルスイングを貫き、長打力も超高校級。だが、追い込まれると一転、打ち方を変えて安打を放ち、選球眼も優れていて四球をもぎとる。バッテリーにとってはこれほど嫌な打者もいない。正真正銘、野球をするために生まれてきた選手。年間を通して元気でプレーできるだけの“心身の強さ”を養えば、プロで10年、不動のレギュラーを張れる選手だ。

 今年秋のドラフトでここに挙げた5人の評価はどうなっているのか。彼らのこれからの動向に注目していきたい。

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