反重力か? 武田翔太の「2回曲がる変化球」に大谷翔平も驚愕 (6ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 大谷といえば、2014年の日米野球でこんなことがあったという。武田が大谷を誘ってキャッチボールをしていた際、大谷のあまりの剛球ぶりに「エグイなぁ」と、ひるみながら放った武田の一球から「事件」は起きた。

 武田が投げたボールは、一度カットボールのようにスライドしてから、逆方向にシュートして、大谷のグラブの土手に当たった。すると、大谷は血相を変えて武田に走り寄ってきた。

「武田さん、今のどうやって投げるんですか!? 投げ方教えてください!」

「オレもわかんねぇよ!」

 ドロップカーブを超える、常識から外れたまさに「魔球」。それでも、この1年間で2度投げることができたという。武田は「投げたいというか、あくまで『投げられるようになったらいいな』程度の話ですよ」と笑うが、「どこかで回転軸がズレる瞬間があると思うんですよね」と、すでに物理的なアプローチから魔球に向き合っている。

 変化を恐れない投手――。もしかして、そんな武田翔太なら……。いつかこの魔球を大観衆の前で披露する日が来るかもしれない。そう願わずにはいられない。

おわり

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