山本昌が盟友・山﨑武司に語った「引退後の不安」 (3ページ目)

  • スポルティーバ●構成 text by Sportiva
  • 小内慎司●写真 photo by Kouchi Shinji

山﨑 オレが一番悔しいのは、山本さんがボコボコに打たれて、「参った」となって辞めていないことですよ。

山本 確かに、全然、参ってないね(笑)。

山﨑 本当は「参りました」って辞めなきゃいけなかったんだよ。実質最後の登板になってしまった8月9日のヤクルト戦。あの試合で山本さんがボコボコに打たれてからケガをしたのであれば、「参りました。もう辞めます」ってなるんだろうけど、今の力を試す前に故障(腕を振った際に体に当たり左手指を突き指。1回1/3、22球で降板)しちゃった。指は突いたけど、ある意味、なんてついていない男だろうと(笑)。

山本 最後はツイていなかったかもしれないけど、それもオレらしいよ。それに、ここまでやってこられた野球人生自体が最高にツイていたんだから。

山﨑 今は辞めたばかりでてんてこ舞いだと思うんですよね。ただ、いろんな場所で「お疲れ様でした」と言われても、自分で「辞めました」という話をしても、それはまだ言葉上のものでしかなくて、本当に自分が野球を辞めた感覚ってのはまだないんだろうなと僕は思うんですよ。

山本 そうかもしれないね。

山﨑 僕は引退しても野球を辞めた寂しさなんてまったくなかったけど……山本さんは絶対寂しくなる人ですよ。野球やりたいってなるの、もうわかりきってる(笑)。

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