一軍再昇格へ、巨人・小林誠司が乗り越えるべき「3つの課題」

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 巨人の正捕手になると期待されていた男は、二軍の本拠地・ジャイアンツ球場で汗を流していた。2年目の小林誠司――今季、巨人の開幕スタメンマスクを任されながら、チャンスをものにすることができず、正捕手どころか、一軍にもいない。チームは「混セ」の中、苦しい戦いを強いられている。それだけに、小林にとっては不本意な気持ちが強いだろう。

5月20日にプロ入り初の二軍降格を言い渡された小林誠司5月20日にプロ入り初の二軍降格を言い渡された小林誠司

 今シーズン、巨人の捕手事情はめまぐるしく変わっていった。長年、正捕手を務めていた阿部慎之助の一塁コンバートが決まり、当初は小林とヤクルトから移籍してきた相川亮二の二人体制で行く予定だった。

 しかし、4月上旬に相川が負傷により戦線離脱すると、阿部が「99%ない」と言われていた捕手に復帰。その間、小林は徐々に出場機会を減らし、5月20日にプロ初となる二軍降格を言い渡された。現在は、ケガから復帰した相川が主に先発マスクを被り、阿部は再び一塁へと戻った。

「今まで学んだことをもう一度考え、二軍で力をつけたいと思っています」

 二軍落ちが決まった際、小林は悔しさを押し殺すようにそう語った。あれから1カ月以上が経過したが、まだ一軍首脳陣から再昇格させるという話はない。イースタンリーグの出場は20試合を超えたが、打率も2割台前半。攻守ともに試練の日々が続いている。

 そんな小林に、原辰徳監督は厳しい言葉で奮起をうながす。

「小林はこれまで一軍で教えることはかなりできたと思う。あとは一本立ちできるかどうか。教えていない選手を武者修行に出すわけではない。教えた中でレギュラーをつかむことができなかったわけだから」

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