もはや高卒は即戦力!? 「10代選手」活躍の理由 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 また、ロッテの吉鶴憲治バッテリーコーチは、選手に対しての接し方の変化も大きいかもしれないと言う。

「僕らの現役の頃は、本当によく怒られました。褒められたことは一度もなかった(笑)。そうなると、自分との戦いになってしまうんですよ。でも時代の流れなのか、今はガミガミ言う指導者は減ったと思います。ただ選手には『目的を持った練習をしよう』『勝つにはどうすればいいのか考えよう』とは言っています」

―― ロッテでは田村龍弘選手(現在21歳)が高卒1年目からマスクを被り、2年目には50試合に出場していました。

「キャッチャーで10代のうちから一軍の試合に出るのは珍しいと思うのですが、ウチの場合、里崎(智也)が引退したことで、伊東(勤)監督が田村と吉田裕太を我慢して使っていこうということになったんです。自分たちで勝ち取ったとは言えませんが、そうした運も必要なのがこの世界。まだまだ一人前とは言えませんが、打たれて成長することもあるし、それが今後の財産になります。ここからは自分の手でレギュラーを確実なものにしなければならない。あとは本人次第ですよね」

 ベテラン選手の熟練の技も見応えがあるが、若い選手たちの躍動する姿は球場に活気を与えてくれる。若い選手の活躍はいつの時代も胸が躍るのである。

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