DeNAは「鬼門」の交流戦を乗り切ることができるのか?

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 そしてもうひとつ重要になってくるのが、交流戦の入り方である。たとえば、昨年の広島はセ・リーグ首位で交流戦に突入したが、いきなりパ・リーグ2強のソフトバンク、オリックスとビジターで対戦。そこでまさかの4連敗を喫し、シーズンの勢いは完全に断たれた。その後も9連敗するなど、通算9勝15敗で交流戦最下位に沈み、セ・リーグ首位の座を明け渡すこととなった。

 そう考えると、今年のDeNAはホームでパ・リーグ最下位のオリックスと開幕し、次が4位のロッテとの対戦になる。さらに、ソフトバンクや西武といった上位チームとホームで戦える。昨年の広島に比べれば、かなり恵まれた日程だといえる。進藤コーチは言う。

「今年はホームでの成績がいいので、プラス材料として頭に入れておきたい。それよりも大事なのは、相手のことよりも、自分たちがどう戦うかということだと思いますよ」

 自分たちの戦い――今年のDeNAはそれがじつに明確だ。先発投手が試合を作り、打つ方では3番の梶谷隆幸が打って走り、4番の筒香嘉智が還し、そのあとを打つロペス、バルディリスがダメを押す。そして、そのリードを田中健二朗、山﨑康晃の必勝リレーで守り切る。なかでも注目はルーキーの山﨑だ。パ・リーグ球団のあるスコラーが次のように語る。

「山﨑のツーシームはちょっと対戦しただけで打てるようなボールではありません。正直、彼を攻略するのは難しい。どうにかして、彼がマウンドに上がらない状況を作らないといけない。DeNAとの試合は先手必勝でいくしかないです」

 山﨑の存在の大きさについて、中畑監督は次のように語る。

「1点差でアイツが出てきたら、もう勝った気でいるからね。アイツがいなかったら、1点差のゲームが怖かったと思うよ。アイツが控えているだけで相手もプレッシャーがかかるだろうし、チームにとっては最高の防波堤ですよ」

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