ヤクルト山田哲人が目指す、200安打と「もうひとつ」

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

「山田って誰? 1番打者でこの数字は信じられない」

 昨年の6月頃、ヤクルトの本拠地・神宮球場のバックネット裏(ビジターファンが多い)でそんな声を何度か聞いた。野球ファンたちはバックスクリーンに映るヤクルト・山田哲人の打撃成績を見て、驚いていたのだ。

昨シーズン、日本人右打者として最多となるシーズン193安打を記録した山田哲人昨シーズン、日本人右打者として最多となるシーズン193安打を記録した山田哲人

 ただ、その驚きも一瞬。その後も山田は着実に安打を重ね、シーズン193安打という日本人右打者のシーズン最多安打記録を達成したのだ。シーズン終了後は侍ジャパンの一員としてMLBオールスターと対戦するなど、これまで一軍で実績のなかったプロ4年目の若手内野手は、わずか1年にしてチームの顔となった。

 迎えた2015年シーズン。開幕前、山田は今季の目標についてこう話していた。

「シーズン200安打を打てるように、頑張っていきたいです」

 そして3月27日の開幕戦。山田は広島のエース・前田健太から初打席でヒットを放ち、シーズン200安打への挑戦が始まった。試合後、山田は次のように語った。

「やっぱり開幕戦は緊張しましたね。でも、初打席でヒットが出てホッとしました。すんなりとスタートできて良かったです」

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