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オリックス中島裕之「打率も打点も本塁打も、全部こだわりたい」 (2ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

―― 震災当時、中島選手は中学生?

「近くの家が倒壊したり、伊丹の駅がつぶれたり......。あの光景は鮮明に覚えています」

―― 95年にオリックスはリーグ制覇し、翌年は日本一にも輝きました。

「震災から20年の節目の年に、チームは変わろうとしているという話を聞かされたことも、オリックスを選んだひとつの理由でした。オリックスはパ・リーグの中で最も優勝から遠ざかっているので、なんとしても実現したいです」

―― オリックス入りを決断するまで、いろいろな思いがあったと思います。アメリカでの2年間は中島選手の中で、どんな記憶として残っていますか。

「周りの人はいろんなことを言いますけど、僕は楽しかったですよ」

―― 試合に出られず、精神的に厳しい時期もあったのでありませんか。

「いや、そこは現実を受け止めていたというか、プラスにとらえていました。エージェントとのやり取りの中で、『この前、(メジャーに)上げるって連絡が来たと言っていたのに、なんで上げてくれないのか』とか、そういうことはいっぱいありましたけど、それは言っても仕方のないことなので......。その場、その場でできることは何なのかを考えていました。『せっかくこの場所におるんやから、なにかプラスにしないと意味がない』と。打つことも、守ることも、練習法も、今だからこそできることを試していましたね」

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