「もう悩まない」。プロ5年目、斎藤佑樹の決意

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 2014年7月31日に785日ぶりとなる白星を挙げた北海道日本ハムファイターズの斎藤佑樹だったが、その後は一軍に定着することができず、シーズンわずか2勝に終わってしまった。しかし斎藤は、収穫あるシーズンだったと振り返った。苦しんだ中でつかんだ確かな手応え。斎藤佑樹が2015年の決意を語った。

決意を新たに、プロ5年目のシーズンに挑む斎藤佑樹決意を新たに、プロ5年目のシーズンに挑む斎藤佑樹

―― プロ4年目のシーズンを、今の斎藤投手はどう位置づけていますか。

「3年目にケガをして、不安なく投げられるようになったのが4年目。僕の中では1年目や2年目よりも、頭で考えていることを体で表現できたと思っているんです。それを体現するための技術はできてきている。この方向性で多分、間違ってはいないと思います」

―― 頭で考えていることというのは?

「こういうふうに投げればこういうボールが行くはずだ、という自分のフォームにようやく辿り着きました。僕、今のフォームが一番、自分に合っているフォームだと思うんです。それって今、感じたことではなくて、じつは高校生の頃から思っていたことなのかもしれないなって思います。『あっ、この感じがいい』じゃなくて、『この感じが懐かしい』って感覚ですから......ここまで、あちこち回り道をしてしまって、その分、いろんなクセがまだ体には残っているんですけど、でも、このフォームで投げればいいボールが行くということが自分でハッキリとわかったので、あとはこれを何回も何回も繰り返すだけ。最終的には、キャッチボールの時もこのフォームしか投げられないっていうぐらいまで洗練すれば、試合でもいい感じで投げられると思うんです」

―― それは、高校時代のフォームに戻ったということですか?

「結局は戻っているのかもしれませんけど、でも、感覚で投げていた高校時代と、理論を頭の中で理解して投げている今とでは、形は同じでも中身は違うと思います」

―― 回り道をしてしまったのは、なぜだったのでしょうか。

「一番わかりやすいのは、速い球を投げたいというところにこだわってしまったこと......いずれにしても、その時々で満足してなかったからいろんなことをやってみようと思ったんでしょうね」

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