谷繁監督が語る「2014年の中日に足りなかったもの」

  • キビタキビオ●構成 text by Kibita Kibio
  • 五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro

野村 野手についてはどうでしたか?

谷繁 ケガ人が多かったですね。1年間フルにやったのが森野(将彦)くらいですから。荒木(雅博)は骨折、ルナはヒジ痛、平田(良介)は足首、和田(一浩)も骨折……。

野村 平田を開幕から4番に置いた理由は何だったのですか?

谷繁 これからのドラゴンズを作っていく中で、僕はやはり日本人が4番を打つのがいいという考えがあり、開幕から交流戦あたりまで4番を打たせたんです。「4番とは何か?」 というのを掴んでほしい気持ちもありました。実際、ある程度打っていたんですが、甘い球をファウルにしたり、初球から打ちにいってミスショットしたりすることが多かったんですよ。それでは相手にプレッシャーを与えられないですし、4番がそういうバッティングをしてはダメだ、という判断のもと外しました。その後、ルナや和田、森野を入れたこともありましたけど、シーズン終盤でまた平田を4番で起用したのも同じ理由です。この時は、4番に「戻した」というよりは「打たせた」ということですね。

野村 外から見る感じでは、4番を打つ素質は持っていると思います。結果うんぬん、内容が良くなかったということですか?

谷繁 そうです。内容が悪いことが多かったんですよ。

野村 6、7番だったらいいけど、4番はそれでは済まされない。和田あたりと比べると技術も考え方もまだまだといったところでしょうか。

谷繁 経験の差でしょうね。こちらが経験を積まさなくてはいけないんですけど、まだその域には達していなかったということです。9年目ですけど、今年初めて規定打席に達しましたからね。まだまだこれからでしょう。

野村 話は変わりますが、今年対戦した中で予想以上に強かったチームはありましたか?

谷繁 最初、戦いにくいと感じたのは広島でした。2番の菊池(涼介)、3番の丸(佳浩)は打つだけじゃなく足もあって、4番のエルドレッドも好調でしたし……。でも、エルドレッドの調子が落ちたことで盛り返すことができ、最終的には少し負け越した(10勝14敗)くらいでした。結果を見れば、やはり巨人にやられているんですよね(8勝16敗)。

野村 強いという印象はありましたか?

谷繁 いや、一方的にやられたという感じではなかったです。今年は巨人自体がそういう戦い方でしたから。接戦で、ここぞというところで1、2点取られて負ける試合が多かった。今までウチがやっていた野球をやられた印象ですね。8月にもうちょっと頑張っていれば、ウチにもチャンスがあったと思います。

野村 確かに、巨人に絶対的な強さは感じなかった。他のチームにもチャンスがあったと思います。

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