谷繁監督が語る「2014年の中日に足りなかったもの」
谷繁元信×野村弘樹 対談(1)
谷繁元信プレイングマネージャーの1年目は67勝73敗4分で4位に終わり、チーム28年ぶりとなる2年連続Bクラスという屈辱を味わった。兼任監督として挑んだ初めてのシーズンをどのように過ごしたのか? 横浜ベイスターズ時代にバッテリーを組んだ現・解説者の野村弘樹氏が聞き手となり、その戦いぶりについて振り返ってもらった。
横浜ベイスターズ時代にバッテリーを組んでいた谷繁元信選手兼監督と野村弘樹氏
── まずはキャンプ以降の流れを振り返ってもらいたいのですが、監督となってどのような野球を目指してきましたか?
谷繁 広いナゴヤドームというホームグラウンドを持っているチームですから、ピッチャーを中心とした守りを第一に考えました。ホームランを40本打てる選手が現実的にいない状況と、僕自身、26年間プロの世界でやってきた中で、やはりピッチャーがある程度抑えなくては勝てないという考えがありましたから。
野村 そこは今までと変わっていない。ピッチングスタッフの手応えについてはどうでしたか?
谷繁 エースの吉見(一起)が5月の終わりか6月には故障から復帰することを頭に入れて、カブレラや大野(雄大)は昨年からの上積みがあるだろうと。先発は他に、(川上)憲伸、山井(大介)、(川井)雄太がいて、そこに岡田(俊哉)を抜擢して、あとは山内(壮馬)や若松(駿太)、西川(健太郎)あたりが少しずつ出てくるイメージを持っていました。それが軒並みケガや不調、伸び悩みなどが重なって、出だしから崩れました。
野村 川上憲伸を開幕投手にした理由は?
谷繁 キャンプ中からブルペンでの投げっぷりが一番良かったんです。ものすごく伝わってくるものがありました。大野も一生懸命やっていたし、ある程度、オープン戦などで結果も残していたんですけど、僕が受けた感じでは、まだ相手が甘いコースを打ち損じていたり、その場限りの抑え方でしかなかったんですよ。それがキャンプの終わり頃まで続いたので、まだ開幕投手のレベルには達していないと判断ました。
野村 開幕戦で川上は、勝ちはつかなかったですけど試合は作りました。ローテーション投手として、100~130イニングくらい投げてくれればという心境ですかね?
谷繁 そうですね。憲伸が1年間フルに投げ続けることを期待するほど欲をかいてはいませんでしたけど、7、8勝くらいは考えていました。それが、1カ月で腰を痛めてしまって......。
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