16年ぶり貯金10。「鯉の季節」にカープファンは何を思う？ (4ページ目)

　４月23日、外野自由席の場所取りの列に並ぶ女性に声をかけた。時刻は午後２時。福田さん（22）の着ているユニフォームの背中にはMATSUYAMAとあった。

「同じ鹿児島の出身なんです。でもいいんですか？　私はいわゆる“カープ女子”でファンになってまだ３年です。昨日も試合に来て、広島に遠征したこともありますけど、詳しい人たちに比べたら何も知らないです。カープ女子をよく思わない人もいるみたいだし……」

――　広島まで行くのですから立派なファンだと思います。今年のカープはどうですか？

「ピッチャーが安定していて、守備のミスが気になることがありますけど、打つ方もいいところで打っているので……そんな感じですよね」

　カープファン歴18年の熊本さん（男性／26歳）は、カープの優勝を味わったことは残念ながら一度もない。

――　４点差を逆転した昨日の試合を含め、今年のカープは強いですね。

「好調すぎてかえって怖いです。出だしは良くても、鯉のぼりの季節になるとまたバテるんじゃないかと（笑）。でも、今年はブルペンがしっかりしているから勝ち試合は落とさないという安心感があります。野手では菊池とか若手が育っているので、優勝までいかなくても２位、３位ならいけるんじゃないかと期待しています。でも……マエケン（前田健太）のヒジの不安もあるし、チーム打率も低いし……。カープファンはいつでも不安なんです」

　前出の宇和川さんと渡部さんは、連日の観戦で今日も酒盛り中である。

――　カープの強さは本物じゃないですか？　今年こそですね。

「いやいや不安だらけ。だまされ続けて何年や（笑）。菊池が守備だけでなくバッティングも向上してきたけど、昨日はキラが死球でケガしたし、マエケンも今ひとつだしね。あとはプリンス（堂林の愛称）！　ホームランはポコポコ出てるけど、本当は外野を守らせたいよね。サードでミスするとすぐ打撃に影響するんだよ（苦笑）」（宇和川さん）

「ジャイアンツを倒して優勝したいけど、巨人戦となると選手が委縮しているように見えちゃうんだよね。やっぱり底力が違うよね。一岡が二軍に埋もれているチームなんだから。少なくとも借金なしでＣＳに行ってほしいね」（渡部さん）