坂本、阿部無安打でも勝利。巨人に強大な「伏兵力」あり (3ページ目)

  • 中島大輔●構成 text by Nakajima Daisuke
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

特に短期決戦では、ひとつの采配で大きく流れが変わってきます。実際、ハウザーを代えたことで、巨人の反撃を呼んだ。2番手でマウンドに上がった宮川将はふたつの四球の後に長野のタイムリーを許し、寺内の頭部に死球を当てて危険球で退場となりました。初登板の緊張があっただろうし、荷が重かったですね。

 ただ、楽天打線は巨人を上回る10安打を放ったように、いい状態にあります。坂本と阿部が復調する前に勝っておきたいですね。5戦目に王手をかけることができれば、仙台に戻っての6戦目は田中が控えています。現時点では2勝2敗のタイですが、両チームの打線の状態を比べても、楽天優位と言えるのではないでしょうか。

 5戦目の先発は、巨人が内海哲也、楽天は辛島航。楽天は則本で来ると思いましたが、6戦目以降に備えて万全を期すのか、中継ぎ待機させる手もあります。田中、則本という絶対的なエースがいる分、たとえ5戦目に負けたとしても、勝負になると星野監督は踏んだのではないでしょうか。辛島を先発させる時点で、楽天の余裕を感じます。

 逆に言うと、巨人は辛島にやられるようだと瀬戸際に追い込まれる。東京ドーム3戦目で巨人打線は復活するのか。それとも楽天投手陣が抑えるのか。今シリーズ最大のポイントは、今日行なわれる5戦目だと思います。

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