2013.08.19

喜び、不安、戸惑い……ベイスターズファンの熱く長い夏

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Nikkan sports

 ここ数年、横浜DeNAベイスターズの夏は「消化試合の夏」というのが定説だったが、今年はちょっと様子が違う。ここまで3位の広島に3ゲーム差と食い下がり、クライマックスシリーズ(CS)争いに初参戦。ハマスタ(横浜スタジアム)を目指すベイスターズファンの足取りは軽快で「久しぶりの夏」を満喫しているのだった。

8月4日の試合では、実数発表となった05年以来、史上最多となる3万39人が集まった

「明らかにお客さんが増えていますね。例年なら観客が減ってくる時期だけど、昨日(8月16日)もお盆だったとはいえ、かなりのお客さんが入った。今年は希望を持っているファンが多いんです。昔からのファンは、この観客の多さに慣れてなくて戸惑っています……(笑)」

 開門を待っていたカッシーさん(36)とMさん(46)は口を揃えた。ふたりは前身である大洋ホエールズ時代からという筋金入りのベテランファンだ。

「ベイスターズファンでも、いつも春は優勝を信じています。開幕して5試合もすれば春は終わりますけど。で、梅雨には早くも秋風が吹き始め、今の時期になると自虐ネタが増えてくる。実る作物もなく球場がガラガラとなる9月。ヤクルト戦などは観客が5000人くらいなので試合が見やすいんですけどね(笑)」

 春は桜の花より短く、夏は蝉の一生よりもはかない。そして長い冬。ふたりが詩人のようになるのも無理はない。ベイスターズは1998年の優勝を頂点に、その成績は崖を転げるように落ち続けているからである。牛島和彦監督時代だった2005年に3位に入ったが、2010年からは3年連続90敗以上のプロ野球新記録を達成。11年連続負け越し、5年連続最下位ともに継続中だ。

「強いから応援するわけじゃないんです。強くなってほしいと願って応援するんですよ。でも、今年は夏が夏らしいですし、秋になっても(消化試合でない)野球が見られそうです」