巨人と2.5ゲーム差。阪神逆転Vへの戦い方とキーマン (2ページ目)

  • 久保田龍雄●文 text by Kubota Tatsuo
  • 小池義弘●写真 photo by koike Yoshihiro

 今季も8月13日から広島と3連戦、16日からヤクルトとの3連戦の計6試合が京セラドームで組まれており、地元ファンの熱い声援はナインにとって何よりの励みになることだろう。しかし、皮肉なことに、長期ロード期間中の準本拠地における成績はあまり芳(かんば)しくない。

 2003年は中日に3連敗を喫し、2008年は北京五輪で藤川球児、矢野輝弘(=耀大)、新井貴浩の主力3人を欠いたこともあって、広島、横浜に6連敗。過去10年間、長期ロード中の準本拠地での通算成績を見ても、22勝28敗1分と負け越しており、あまり地元の利は感じられない。ただ、準本拠地で大きく勝ち越せば、一気に弾みがつく可能性もある。今年京セラドームで戦う広島、ヤクルトにはそれぞれ7勝4敗、9勝3敗と勝ち越しており、阪神にとっては明るい材料だ。

 そして長期ロードとともに重要なカギを握るのが、9月の戦いぶりだ。ここで過去5年間の阪神と巨人の9月の成績を比較したい。

2008年...阪神=11勝11敗1分(2)/巨人=17勝6敗1分(1)
2009年...阪神=15勝12敗(4)/巨人=19勝5敗1分(1)
2010年...阪神=11勝12敗1分(2)/巨人=11勝10敗1分(3)
2011年...阪神=7勝12敗2分(4)/巨人=11勝10敗2分(3)
2012年...阪神=11勝12敗2分(5)/巨人=15勝7敗2分(1)

※( )はシーズン最終順位

 5年連続勝ち越し、うちリーグ優勝を4回達成している巨人に対し、阪神が勝ち越したのは2009年だけ。シーズン終盤の失速は優勝争いに大きく響くことは言うまでもない。阪神にしてみれば、終盤に底力を発揮する巨人が相手だけに、2勝1敗のペースで戦えるかが重要になる。後半戦の残り試合は、巨人戦10試合、中日戦15試合、ヤクルト戦12試合、広島戦13試合、横浜DeNA戦13試合。再び亀山氏が言う。

「2.5ゲーム差は十分に逆転可能だと思います。そのためには、最低でも巨人戦を5割でいかなければなりません。今年、巨人に相性がいい榎田、能見(篤史)をぶつけるしかないでしょうね。そして相性がいいヤクルト、広島に対してこのまま貯金を増やせていけるか。得意なチームを作るというのは、優勝には欠かせない要因です」

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