2013.05.10

阪神・藤浪晋太郎はプロ1年目の松坂大輔を超えることができるか?

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • 小池義弘●写真 photo by koike Yoshihiro

ドラフト制度導入後、高卒ルーキーとして初めて4月に3勝を挙げた藤浪晋太郎 昨年、大阪桐蔭高校のエースとして甲子園春夏連覇を果たした藤浪晋太郎が、縦縞のユニフォームに袖を通し、同じ甲子園という舞台で虎党を熱狂させている。

 開幕から6試合(先発5試合)に登板し、3勝1敗、防御率2.12。34イニングで奪った三振はリーグ5位の32個、与えた失点はわずか9点しかない(成績はすべて5月8日現在)。首脳陣が球数を考慮しながら起用しているため、規定投球回にこそ達していないものの、高卒ルーキーが4月に3勝を挙げたのは、ドラフト制度導入後、初めての快挙である。

 つまり、藤浪同様に甲子園で春夏連覇を達成し、プロ入り1年目からローテーション入りを果たした松坂大輔(当時・西武)を、開幕から1カ月の戦績では上回ったことになる。

 ちなみに松坂のルーキーイヤーの4月の成績はこうだ。デビュー戦となった日本ハム戦で、初回に片岡篤史から155キロのストレートで三振を奪うなど、8回2失点の好投でプロ初勝利を挙げる。2戦目の近鉄戦では、プロ初完投を果たすも味方の援護なく敗戦投手に。3戦目のロッテ戦では相手エースの黒木知宏と投手戦を演じ、0-2で惜敗したものの「リベンジしたい」の名言を残す。その言葉通り、4戦目で再び黒木と投げ合い、プロ初完封で雪辱を果たした。4月の成績は2勝(2敗)と、勝利数こそ藤浪に劣るが、「2完投(うち1完封)」が目を引く。

 結局、松坂はこのシーズン、16勝5敗、防御率2.60という成績を残し、高卒の新人投手としては堀内恒夫(元巨人)以来となる新人王を獲得し、最多勝に加え、ベストナイン、ゴールデングラブ賞も受賞した。

 松坂の1年目について、野球解説者の与田剛氏はこう振り返る。

「1年目の松坂投手の数字を見て、突出しているのは完投数(6)と登板数(25試合、うち先発24試合)、そして投球回数(180イニング)です。小さなケガによって2度ほど先発を飛ばしたことはありましたが、一度も二軍に落ちることなく、1年間戦い抜いた。10代の選手が、プロのトップレベルの選手相手にシーズンを通して戦えるだけの体力と実力を持っているのはそれだけで驚異的です。当然、甲子園で春夏連覇を達成した藤浪投手だけに、松坂投手と同じような結果を期待されると思うのですが、個人的な意見を言わせてもらえば、勝利数よりも先発としての登板数にこだわってほしい。藤浪投手がまず目指すのは、そこだと思います」