【プロ野球】大混戦必至のパ・リーグ。ペナントを左右する新戦力の出来

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • photo by Koike Yoshihiro

 3月29日に西武×日本ハム、ロッテ×オリックス、ソフトバンク×楽天の3カードでパ・リーグのペナントレースが開幕する。近年、パ・リーグは混戦が続いており、昨シーズンもダルビッシュ有が抜け、開幕前は苦戦が予想されていた日本ハムが3年ぶりの優勝を果たし、大型補強を敢行して優勝候補に挙げられていたオリックスがまさかの最下位に沈んだ。今シーズンも「6連単」はもちろん、「単勝」の的中すら困難必至の状況である。

 リーグ連覇を目指す日本ハムの話題の中心は、何といっても「二刀流」挑戦中の大谷翔平だ。超黄金ルーキーとはいえ当初はファームで育成するのかと思われていたが、3月17日の中日戦で打った瞬間それとわかる特大のホームランを放ち、21日の楽天戦では投手として157キロをマークするなど、1イニングを無失点、奪三振2の快投を披露。開幕一軍を果たした。

 その一方で田中賢介がメジャーに挑戦し、糸井嘉男がキャンプ直前の電撃トレードで移籍。攻守の要だったふたりの穴は決して小さくはない。これまでも小笠原道大やダルビッシュといった「チームの顔」が去っても補強に頼ることなく、現有戦力を底上げすることで、常に優勝争いをするチームを作り上げてきた日本ハムだが、果たして今年はどうやって戦力を整えていくのか。

 最も底上げを期待したい選手は中田翔だ。2010年9本塁打→2011年18本塁打→2012年24本塁打と着実に数字を伸ばしている。昨シーズンは1年間4番を任され、第3回WBCでも長打力を買われ代表入りを果たしたことは、本人にとって自信になっただろう。中田が「30本塁打、100打点」に近い数字を残せば、ふたりの抜けた穴は随分と埋まるはずだ。杉谷拳士や西川遥輝といった若手も成長しており、中田を中心にどこまでチーム力アップを図れるか見ものだ。

 糸井を獲得したオリックスは、さらなる大型補強で巻き返しを図る。糸井とともに日本ハムから左腕の八木智哉、巨人から東野峻、西武から原拓也をトレードで獲得。さらにFAで平野恵一(←阪神)、ソフトバンクにFA移籍した寺原隼人の人的補償として馬原孝浩も加わり、実績十分の選手たちを揃えた。

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