2012.12.20

【プロ野球】「育成選手制度」の運用にみる球団ごとの温度差

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 日刊スポーツ●写真 photo by Nikkan sports

育成選手としてソフトバンクと契約を交わした(左から)柴田亮輔、大立恭平、蕭一傑育成選手制度の「いま」を考える(後編)

 2005年、近鉄がオリックスと合併し、楽天が仙台に居を構えて以来、イースタンとウエスタンは7球団と5球団という歪(いびつ)な状態が続いている。ただでさえファームの試合が空く日があるというのに、さらに第2二軍の試合も組むとなれば、相手はアマチュアにならざるを得ない。今シーズン、巨人の第2二軍は、2月から9月 までの間に32試合を戦った。8カ月でわずか32試合である。育成選手はイースタンリーグの試合に出られるといっても、ただでさえ選手数の多い二軍の試合に出るのは容易なことではない。その32試合の結果は、14勝15敗3分。内訳は対独立リーグのプロが2試合、社会人が17試合、大学が13試合。独立リーグには2敗、社会人に9勝7敗1分、大学生に5勝6敗2分。この他に、フューチャーズ(若手中心で編成されたイースタン混成チーム)が、試合のないイースタンのチームと対戦する”イースタン・チャレンジマッチ”が年間に27試合組まれ、その一員として巨人の育成選手は毎試合、7、8名が出場していたのだが、戦績は2勝23敗2分。こうなると、育成選手のレベルがプロ未満であることは火を見るより明らかで、アマチュアから見て彼らが本当にプロに見えるのかというあたりも甚(はなは)だ疑問になってくる。

 元巨人のある育成選手が続けた。

「育成が弱すぎるせいなのか、”第2二軍”の試合も、えっ、そんなところとやるの? みたいなチームが相手で……でも、そんなところにも勝てない(苦笑)。東大とか、首都大学リーグ2部の選抜チームとか、学生の中でもトップレベルにない相手にもやっと勝つようなチーム状況で、育成の質も落ちてきてるんじゃないかという話にもなっていました。正直、こんなところにいて意味があるのかなと思うこともありましたね。試合がなければ朝から練習。二軍が遠征に出ていれば9時半から夕方まで、少ない人数で、ダラダラとノックを受けたり、緊張感がないんです。みんな、『来年、育成ってあるのか』『第2二軍って存在するのか』なんて噂にビクビクしている。このままここにいても、先が見えないって思っちゃうんです」