【プロ野球】3年ぶり日本一。
巨人の底力を見た「シリーズ第5戦」 (3ページ目)
しかし、戦力に大きな差があったわけではない。長野久義、坂本勇人の若手が引っ張ったジャイアンツに対し、ファイターズは稲葉篤紀、小谷野栄一のベテランが奮闘した。ただ、下位打線や控え選手の働きは、少しだけジャイアンツの方が上回っていたと高橋氏はいう。
「ジャイアンツはボウカーをはじめ、松本(哲也)、矢野(謙次)など、シーズン中はレギュラーでなかった選手がキーになる働きを見せた。それに対しファイターズはベテランの飯山裕志のサヨナラ安打以外は、脇役の活躍が目立たなかった。つまりラッキーボーイが生まれなかった。そのあたりにわずかな差があったと思います。ただ、負けたとはいえファイターズは、中田翔が第6戦で同点本塁打を打ったし、杉谷(拳士)、西川(遥輝)、中島(卓哉)など、若い選手が大舞台を経験することができた。これは大きな財産になると思いますよ」
そしてクライマックス・シリーズ(CS)ファイナルでジャイアンツをあと一歩のところまで追い詰めたドラゴンズの山﨑は、「短期決戦はちょっとしたことでチームが変わる」ことをあらためて思い知らされたという。
「ウチに土俵際まで追い詰められて盛り返したことで、ジャイアンツには自信が加わった。劣勢になっても慌てないどっしりした戦いができた。それを象徴していたのが、シリーズ第5戦でした」
CSが定着し、そこからの流れが日本シリーズにまで影響する。日本もメジャーのように「ポストシーズン」というひと括(くく)りで戦略を考える時代になってきたのかもしれない。
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