【プロ野球】松田宣浩復帰でチームに勢い。ソフトバンク「下克上」達成なるか?

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro

右手の骨折により戦線を離脱していた松田宣浩だったが、何とかCSに間に合った右手の骨折により戦線を離脱していた松田宣浩だったが、何とかCSに間に合った 惜しくもリーグ3連覇は逃したが、連続日本一の夢はまだ残っている。ソフトバンクが3位からの「下克上」を成し遂げるべく、10月13日から始まるクライマックス・シリーズ(CS)ファーストステージでシーズン2位の西武に挑む。

 短期決戦で大切になるのは勢い。「お祭り男」が出現したチームに軍配が上がる可能性は高い。ソフトバンクにチームに元気を与える頼もしい男が帰ってきた。CSのキーマンは松田宣浩である。

 8月1日の楽天戦で右手に死球を受けて骨折した。診断は全治3カ月。今季の復活は絶望視されていた。しかし、「意地があった」(松田)と9月25日の二軍戦で実戦復帰すると、10月5日には約2カ月ぶりとなる一軍復帰を果たした。レギュラーシーズンの残り3試合に間に合わせたのも、「CS、日本シリーズで完全燃焼するため」だった。

 今季の松田は95試合に出場して、打率.300、9本塁打、56打点。離脱するまで打率、打点でチーム二冠だった。加えて16盗塁の足と、昨季ゴールデングラブ賞を獲得した守備力もあり、文字通りチームの中心選手である。それ以上に秋山監督は、「ベンチで声を出してくれる」と、松田の存在感を高く評価する。ルーキーの武田翔太も「松田さんが戻ってきて、ロッカールームの雰囲気がガラリと変わりました。明るさが違いますね」と驚きの表情を浮かべていた。

 昨年まで、ソフトバンクの"元気印"といえば川崎宗則(マリナーズ)だったが、彼がメジャーに移籍した今シーズンから、松田自らが「(川崎のあとを)引き継ぐのは自分しかいない」と自覚を持ってやってきた。

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