2012.04.08

【プロ野球】4連続完封負けも、DeNA若手4人衆から目が離せない

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • photo by(C)YOKOHAMA DeNA BAYSTARS

オープン戦では13盗塁を記録するなど、俊足が自慢の梶谷隆幸 昨年12月の監督就任から、キャンプ、オープン戦と衆目を集めた中畑清新監督率いる横浜DeNAベイスターズ。開幕3戦目に公式戦初勝利を挙げると、「勝つのは気持ちいいな。やった!」と涙を浮かべた中畑監督だったが、それからの4試合はすべて完封負け(4月7日現在)。4月6日の広島戦では前田健太にノーヒット・ノーランを喫するなど、苦しい戦いを強いられている。

 それでも中畑監督のもと、昨年にはなかった明るさがあり、選手たちも戦う集団に変貌を遂げようとしている。他球団のスコアラーも、「なかなか勝利に結びつかない試合が続いているけど、昨年とは明らかに違っている。戦力がどうこうではなく、チームの雰囲気が全然違う。若い選手も多いし、何かきっかけをつかめば怖い存在になる」と警戒するほどだ。

 オープン戦とはいえ、貯金5で3位になった。昨年まではオープン戦でも下位低迷していたことを考えれば進歩は明白であり、盗塁数も17試合で23個を記録するなど、中畑監督が提唱する『機動力野球=せこいぜ野球』も徐々に浸透しつつあることがわかる。

 また、オープン戦のチーム防御率は全球団の中で唯一の1点台。軸になる投手がいない中でのこの成績は、若手を中心とした高い競争意識の表れだろう。なかでも15イニング無失点と好投し、本拠地開幕戦の先発に指名された国吉佑樹(20歳)は、「将来のエースになる存在。名前で客を呼べる選手になってほしい」と中畑監督が期待を寄せる新鋭である。

 友利結投手コーチも、「相手チームのエースとも十分に投げ合える実力は持っていると思う。あとは経験だけ」と称賛する。その一方で、「国吉もそうだけど、うちの投手陣が他のチームと決定的に違うのは体力がないということ。一旦落ち始めたら、とことんまでいってしまう恐れがある。改革には時間が必要。今は何においても足りないものばかりだけど、与えられた時間の中で、若い選手を育てていくしかない」と現状を冷静に分析する。

 たしかに投手力を高めるには時間が必要だ。しかし、走塁や守備力を高めるのは、投手ほど時間はかからない。『せこいぜ野球』――つまり中畑流スモールベースボールのカギはここにある。スモールベースボールは、相手のスキをつく機動力と無駄な失点を防ぐ堅守が必要になる。