【プロ野球】岡田彰布×石山建一「伸びる選手はここが違う!」 (3ページ目)

  • スポルティーバ●構成 text by Sportiva
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

―― 一方でエースとは別に、岡田監督は強力なリリーフ陣を作り上げて、勝ち星を重ねてきました。クローザーだけでなく、セットアッパーにこだわってきました。その意図というのは?

岡田 これはバッター目線の発想なんです。よくラッキーセブンと言うじゃないですか。おそらくバッターが3巡目に入って目が慣れてくる一方で先発ピッチャーが疲れてくるタイミングなので、昔から7回にはよく点が入り、試合展開が変わることが多かったんだと思います。それなら7回に一番いいピッチャーをつぎ込んで止めにいこうと思ったのが、そもそものはじまりです。だから阪神では、はじめ藤川球児を7回に使ったんです。それに7回から強烈なピッチャーが次々と出てきたら、相手もあきらめるでしょ。そうなると相手は敗戦処理のピッチャーを出してくるから、さらに点差が開く。試合も楽になります。

石山 ちょっと前までは、セットアッパーという言葉も使わなかったもんね。セーブだけでなく、ホールドという記録ができたのも、それだけセットアッパーの重要性が認識された証拠だろうね。去年の日本シリーズを見ていても、セットアッパーがいかに大事なポジションかわかったからね。

―― 次にチームのもうひとつの顔である4番について聞きたいのですが、理想の4番打者とはどのようなバッターでしょうか?

石山 例えば、自分たちのチームが相手ピッチャーに手も足も出ない状態だったとします。そんな状況であっても、勝負を決められるバッターが4番だと思いますね。誰も打てないときに打てる打者。みんなが打っている試合は別にいいんです。

岡田 それに相手ピッチャーのウイニングショットを打てるバッター。相手のいちばんいい球を狙って打つのが4番だと思いますね。

―― 以前、岡田監督から「決め球」がいちばん狙いやすいという話を聞きました。

岡田 あるファンの方から聞いた話なのですが、僕は250本ぐらいホームランを打ちましたが、その中でツーストライクからのホームランがすごく多いらしいんです。ツーストライク後のホームラン率だと、王さんよりも上だとか。追い込まれたほうが、ボールを絞りやすいというのはありましたね。例えば、5つの球種を投げるピッチャーがいるとします。初球は5つの中から何を投げてくるかわからない。それがワンストライクになると4種類になり、ツーストライクになるとさらに減る。だって、追い込んでからストライクを取りにくるカーブは絶対に投げないでしょ。

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