【プロ野球】大嶋匠、中田翔――『平成のON』が日本ハムの未来を担う (2ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 青山浩次、益田佑一●写真 photo by Aoyama Koji、Masuda Yuichi

昨年はレギュラーに定着し、自己最多の18本塁打を放った中田翔昨年はレギュラーに定着し、自己最多の18本塁打を放った中田翔 さらに翌日の試合でも、左右に打ち分け2安打をマーク。これまでソフトボール出身ということで色物扱いされているところも少なからずあったが、他球団のスカウトも「本当に化けるかもしれない」と警戒を強めるなど、話題だけでなく実力でも注目される存在になった。

 そして福良ヘッドコーチも期待を込めて言う。

「ノーステップであれだけ飛ばせるのだから、長距離打者としての素質は十分に備えている。スラッガーとしての可能性を感じます」

 ノーステップ打法――日本ハムにはもうひとり、ノーステップでホームランを量産するスラッガーがいる。それが入団5年目の中田翔だ。

 中田も大阪桐蔭高校時代に通算87本塁打を記録した怪物だった。誰もがその素材にほれ込み、2007年の高校生ドラフトでは4球団が1巡目に指名。抽選の結果、日本ハムが交渉権を獲得し入団に至った。

 入団直後は木製バットの対応に苦しんだが、スラッガーとしての英才教育を受け、入団2年目にはイースタン・リーグ新記録となる30本塁打を記録し、打点95で二冠王を獲得。昨年は一軍でレギュラーに定着。入団して初となる規定打席に到達し、18本塁打、91打点をマーク。どちらもリーグ3位の記録だった。

 今年1月、メジャー移籍により日本ハムを退団することになったダルビッシュ有に、「アイツ(中田)が4番になって勝たなきゃいけない」と、新たなチームの顔に指名された。中田自身も「昨年はもっとやれた。とにかく今年はみんなに信頼されるバッターになりたい」と"真の4番"になるべく、5年目の飛躍を誓った。

 そしてここに来て、中田とともにチームの顔となる可能性を秘めた新星が現れた。じつは中田と大嶋は同学年。野球とソフトボールの違いはあるが、ともにアマチュア時代は怪物として鳴らした逸材。互いに素質を開花させれば、"平成のON"として球界を席巻する可能性は十分にありえる。ダルビッシュが去ったとはいえ、日本ハムの未来はまだまだ明るい。

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