2012.01.07

【プロ野球】藤岡貴裕(ロッテ)の2ケタ勝利を予感させる「ふたつの角度」

  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

ふじおか・たかひろ/桐生第一高から東洋大に進み、1年春から登板。3年春のリーグ戦では開幕から3連続完封をマーク。また、2010、11年の大学選手権連覇にも貢献。大学通算26勝。身長181センチ、体重80キロ。左投左打。石山建一『選手のみかた』~ロッテ・藤岡貴裕

 昨年、プロ1年目の澤村拓一(巨人)が11勝を挙げましたが、今年もルーキーながら2ケタを期待できるピッチャーがいます。それが東洋大からドラフト1位でロッテに入団した藤岡貴裕です。

 彼のピッチングは、昨年の春に早稲田大とのオープン戦で見ました。第一印象は、とにかくボールに力があるということです。その試合でも常時143~145キロをマークしていて、ランナーを背負った場面では150キロを超すストレートを投げ込んでいました。バッターは右ピッチャーより左ピッチャーの方が体感的に速く感じるといいますから、左腕の藤岡のボールは数字以上の威圧感があるはずです。だから、多少甘いコースに入ったとしてもファールを取ることができる。これは投手にとって大きな武器です。

 そしてもうひとつの武器がコントロール。特に、右打者のインコース低めへのコントロールは絶品。このコースに何球も投げ込める彼のピッチングを見て、私は「すぐプロで通用する。2ケタは勝てる」と確信したんです。

 これまで私も数多くのピッチャーを指導してきました。そして左ピッチャーに対しては、「右打者のインコース低めに投げられるようにしなさい」と言い続けてきました。なぜ、右打者のインコース低めのボールが有効なのか? 低めの球は、打者の目からもグリップからも遠いため、ミートするのが難しい。その上、インコースとなると腕をたたんで打つなど、高い技術が必要になってくる。長年、プロの世界でやっているバッターでも、インコース低目をヒットにするのは容易ではありません。だから、インコース低めを突けるかどうかは、左投手がプロで通用するかの判断基準になるわけです。