検索

【MLB】「ドジャースの半分以下の年俸」で世界一! ブルワーズが証明した金満球団に勝つ方法 常識を覆す「1%の才能」の発掘術 (3ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Daisuke Nakajima

ブルワーズの国際スカウトを務める色川冬馬氏とマット・アーノルドGM 写真は色川氏提供ブルワーズの国際スカウトを務める色川冬馬氏とマット・アーノルドGM 写真は色川氏提供この記事に関連する写真を見る その好例が、今年9月に球団史上初のキャプテンに就任した外野手クリスチャン・イエリッチだ。

 2018年にマーリンズから移籍し、同年にナ・リーグMVPを獲得したイエリッチ。2020年3月には9年総額2億1500万ドルの大型契約を結んだが、その後は成績が低迷。それでも2023年から復調の兆しを見せた。その背景には、打撃スタイルの変化があったという。

「イエリッチはボールを捉える位置が、体にものすごく近い選手です。年齢と経験を重ね、そういうスタイルに意図的に落とし込んでいます。それを何も知らないで見ると、ボールを捉える位置が体に近いから『速いボールについていけていない』と思ってしまう。でも、データがわかっている人から論理的な説明があると、『これが彼の特徴なんだ』と見え方がものすごく変わります」

 1%の可能性を持った選手をどう探し、どう伸ばしていくのか。ブルワーズでは、その判断基準をスカウトと育成現場が共有している。だからこそ、獲得した選手の才能を最大限に引き出すことができると色川氏は感じている。

「メジャーリーグでは、選手のどんな点をどう評価しているのか。メジャーに上がるまでのマイナーリーグでは、何をしているのか。現場のコーチたちが、我々スカウトにプレゼンをします。だから、全部が線でつながる。ブルワーズがほしくて、伸びるのはこういう選手だから、こういう選手たちを君たちが見つけてくれとなるわけです」

【データと人間をつなぐ専門部署】

 現代野球では選手獲得から育成、試合での作戦決定まで、データ活用が不可欠だ。専門家やAIによって膨大なデータが分析され、それをどう使うかが成否に大きな影響を及ぼす。そうした潮流を踏まえ、ブルワーズに置かれているのが「プレイヤーインフォメーション」という部署だ。色川氏が説明する。

「今の野球では情報やデータなど、あらゆるものが高度化しています。僕らスカウトでも、そのすべてを理解できるわけではありません。監督、コーチ、現場の選手に伝えたとき、どれくらい理解しているのか。これはすごく大事なことです。その情報を選手たちにどのタイミングで、誰がどう伝えるべきか。簡単に言うと、それをものすごく調査している部署がプレイヤーインフォメーションです」

3 / 5

登録は簡単! チェックを入れてボタンを押すだけ 詳しくはこちら

キーワード

このページのトップに戻る