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【MLB】「ドジャースの半分以下の年俸」で世界一! ブルワーズが証明した金満球団に勝つ方法 常識を覆す「1%の才能」の発掘術

  • 中島大輔●文 text by Daisuke Nakajima

 2026年のワールドシリーズで球団史上初の世界一に輝いたミルウォーキー・ブルワーズは、いわゆる「スモールマーケット」の球団だ。今季の年俸総額は30球団中19位の1億4350万ドル(約227億円)。2位ドジャースの3億3800万ドル(約534億円)の半分にも満たない。

 そんなブルワーズが、レギュラーシーズンでは球団記録となる103勝を挙げ、ナ・リーグ優勝決定シリーズではドジャースを4連勝で撃破。ワールドシリーズでもア・リーグ王者のレイズを4勝1敗で退け、頂点へと駆け上がった。

 豊富な資金力を誇るわけではない球団が、なぜこれほどの強さを発揮できたのか。その背景には、ブルワーズ独自の選手発掘・育成システムと、組織全体に浸透した明確な理念があった。

球団創設58年目で初のワールドシリーズ制覇を成し遂げたミルウォーキー・ブルワーズ photo by Getty Images球団創設58年目で初のワールドシリーズ制覇を成し遂げたミルウォーキー・ブルワーズ photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る

【世界一を生んだ1%の発掘術】

「球団の理念として『Finding our 1%』(我々の1%を見つける)というものがあります。スカウトミーティングの最初に説明される、球団の基本的な考え方です」

 そう明かすのは、2025年からブルワーズの国際スカウトを務める色川冬馬氏だ。

「自分たちはスモールマーケットだという認識のある球団です。スカウトであれば、1%の可能性を見つけてきなさい、と。スカウトが連れてきた1%の才能たちを、マイナーリーグの監督やコーチが磨き上げ、メジャーリーグへ送り出していく。その1%の集合体がメジャーリーグのチームをつくる、というのがブルワーズの基本的な考え方です」

 ここでいう「1%」とは、必ずしも完成された才能を意味するわけではない。たとえ現時点では評価が高くなくても、何かひとつ突出した長所や武器があれば、将来メジャーリーグで活躍できる可能性がある。そのわずかな可能性を見逃さず、組織の力で大きく育てていくという発想だ。

 今季、ブルワーズが見せた戦い方は「スモールベースボール」と形容された。スーパースターの圧倒的な個の力に依存するのではなく、盗塁や送りバントを絡め、堅実な守備を土台に一つひとつ勝利を積み重ねていく。

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