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【MLB】「グラブのせいにするな」 ヌートバーを変えたイチローの言葉 新ルーティンが生んだ驚きの変化 (3ページ目)

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton

 レフト前に落ちそうなライナーへ猛然と突っ込み、スライディングキャッチ。グラブが地面に叩きつけられても、ボールがこぼれることはなかった。

「100%、グラブのポケットをしっかり手入れしていたおかげです。革が乾いたグラブと、しっとりと手入れされたグラブでは、ボールの収まり方がまったく違うんです」

 その違いを、ヌートバーは誰よりも痛感している。

 2021年、メジャーデビュー4試合目のピッツバーグ・パイレーツ戦。ライトを守っていたヌートバーは、似たような打球に前進してスライディングキャッチを試みた。しかし、グラブが地面に叩きつけられた衝撃で、ボールがこぼれ落ちてしまった。

 捕球していればイニング終了となるはずだったが、ふたりの走者の生還を許し、追加点を与えてしまった。

「あれは本当に悔しかったです。プレー自体は完璧でした。でも、グラブを十分に手入れしていなかったせいで、ボールをしっかりつかみきれず、衝撃で飛び出してしまったんです」

 野球は高いレベルになればなるほど、身体能力だけでなく、それを支える日々の細かな積み重ねが重要になる。

 ヌートバーはイチローとの出会いを通じて、その大切さをあらためて学び、今季から新たなルーティンとして実践している。

【激痛を乗り越えて始まった新たな挑戦】

 そんなヌートバーには、もうひとつ大きな変化があった。

 それはグラウンドでの動きが見違えるほど軽やかになったことだ。長年、両足のかかとの痛みに悩まされていたヌートバーは、昨季終了後に専門医の診察を受け、「ハグルンド変形」と診断された。かかとの骨が突出し、アキレス腱と擦れ合うことで強い痛みを引き起こす疾患である。

 本拠地ブッシュ・スタジアムは、グラウンドとベンチを行き来するたびに6段の階段を上り下りしなければならないが、それだけでも苦痛だったという。

「手すりにつかまらないと階段を降りられないくらいでした。痛みはなるべく表に出さないようにしていましたが、気づいたチームメイトには『そんなにひどかったのか』と驚かれました。もちろん試合中も痛みはありました。なかでも、走塁の時はつらかったです。でも『野球をやっていれば、いろいろ痛みはあるものだ』と思ってプレーしていました」

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