【MLB】米ベテラン記者が見るドジャース・佐々木朗希への期待と課題 「スプリットは、この世のものではないが......」 (2ページ目)
【カギを握るメンタルコントロール】
佐々木を2022年から継続して注目してきたパッサン記者 photo by Sugiura Daisukeこの記事に関連する写真を見る 今季に関していえば、メジャーリーグで初めてプレーする選手に、最初のシーズンで完全に信頼できるレベルに達することを期待するべきではないと思う。結局のところ、成功は、ロウキの自信に大きく左右される。彼はまだ完成品ではないため、最も難しいのは期待と現実が食い違うゲームが出てくることだ。苦しむ先発機会もあるだろうし、ストライクがなかなか取れず、四球を与えたうえで多くの失点を許す先発機会もあるだろう。その時、どうやってその試練から立ち直れるか。そういった問いに答えられるのはロウキ自身だけだ。
メジャーリーグではまだルーキーの投手を開幕2戦目で先発させることに関し、驚いたかと問われたら、答えは「イエス」だ。その一方で、投げさせるべきかを問われた場合も間違いなく「イエス」と答える。母国での開幕シリーズの先発は、見逃せない特別な機会だ。それに加え、たとえこの起用が奏功せずに敗れたとしても、ドジャースにはあと160試合も残っている。ロウキの先発がうまくいかなくても、それを補うチャンスはある。一方でこの先発機会がうまくいけば、残りのシーズン中の登板にいい形でつながっていくはずだ。
最後に2025年のロウキについて個人的な予想をしておくと、彼は28戦に先発し、125イニング、140奪三振、60四球、防御率3.75という成績を残すと見る。おそらく毎度の先発機会で投げるのは5イニングくらいで、後半まで続投することはないはずだ。そう思う理由のひとつは、今のロウキはまだボールが多いことで、球数が増える傾向があるからだ。
それでも1年目から多くの先発機会を得るとは思う。ドジャースは、今季から規則的にマウンドに立たせ、負担をかけすぎないような形で未来への貴重な経験を積ませたいという希望を持っている。
著者プロフィール
杉浦大介 (すぎうら・だいすけ)
すぎうら・だいすけ 東京都生まれ。高校球児からアマチュアボクサーを経て大学卒業と同時に渡米。ニューヨークでフリーライターになる。現在はNBA、MLB、NFL、ボクシングなどを中心に精力的に取材活動を行なう
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