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【MLB】投手・大谷翔平はどう進化しているのか? 五十嵐亮太が語る新スタイルの全貌 (3ページ目)

  • 長谷川晶一●文 text by Hasegawa Shoichi

── それはどんな理由でしょうか?

五十嵐 当然、投手としてのブランクがあるわけだから、やっぱり「負担を減らさなきゃいけない」という狙いもあるはず。さらに、以前と同じようなピッチングをしていたら、また同じようにケガをする可能性がある。その負担を減らす場合、どこに重きを置くかというと、まずはピッチングフォームを見直す必要がある。例えば21年、22年と比べたら、23年はスイーパーを多投したことで、明らかに肘が下がってきた。もしも負担を感じているのなら、まずは肘を上げる必要がある。それは本人にしかわからない感覚です。

── そのあたりの感覚を丁寧に確かめながら、ピッチングフォームを固めていく必要があるわけですね。

五十嵐 もうひとつは、変化球を投げる時に負担のかかるボールがあるのならば、それも改善しなければいけない。それがスイーパーなのか、ほかの変化球なのかは本人にしかわからないけど、もしも本人がそれを感じるのなら、今まで投げてきたボールを見直さなければいけない。それもこの時期にしっかりと確かめておくべきことの一つだと思いますね。

【配球スタイルが変わる】

── ケガからの復活を経て、「2025年版大谷翔平」はどのようなスタイルになりそうでしょうか?

五十嵐 考えられるのは「配球バランスが大きく変わるのではないか?」ということです。大谷選手は比較的出力を出して、力で抑えていくピッチャーなんです。基本的にはストレートやスイーパーをメインに三振を狙って取りにいく。ランナーがいて、「ここぞ」という場面では出力を上げて抑えにいく。でも、身体への負担を減らすために、これからは「どれだけ力をセーブできるか?」ということも大事になってくる。つまり、「打たせて取る」とか、「球数を抑える」ということです。

── そうなると当然、配球も変わってきますね。

五十嵐 そこで重要になってくるのがツーシーム、カットボールという変化球です。そうなると、普段はなるべく出力を抑える。でも、ピンチの場面では出力を上げる。そんな切り替えが必要になってくるかもしれない。そこで、直接本人に質問したんです。「今年のピッチングスタイルについてですが、これから新しいピッチングスタイルを模索していくのか、それとも今までのピッチング内容に近づける取り組みをしていくのか?」って。

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