大谷翔平はイチロー以来の「MVP」獲得なるか? 日本人投手・打者が歩んできたMLBオールスターの軌跡 (4ページ目)
【大谷にホームランの期待】
松井と大谷は、ふたりとも出場2試合で3打数1安打だ。
松井は初出場の2003年に、最初の打席でヒットを打った。大谷は、2021年が内野ゴロ2本、昨年はヒットと四球。ヒットは、クレイトン・カーショウからだ。レギュラーシーズンの対戦で、大谷はカーショウに通算11打数0安打と封じられている。
今年のメンバーにはカーショウも選ばれているが、登板することはない。左肩を痛め、選出直後に故障者リスト入り。オールスターゲームのロースターから外れた。
相手が誰であれ、大谷にはホームランの期待がかかる。だが、日本人選手では初となる三塁打の可能性もある。レギュラーシーズンでは今シーズンを含め、5三塁打以上を4度記録している。オールスターゲームの場合、勝敗にそこまでこだわる必要はないので、二塁で止まったほうがいい打球でも、チャンスがゼロでなければ三塁へ向かってもいいのではないだろうか。
なお、福留孝介は2008年(当時シカゴ・カブス)に2打数0安打ながら、チームメイトのジオバニー・ソトとともにオールスターゲームの歴史に名を残した。当時、福留はメジャーリーグ1年目。ソトは4年目だったが、この年に新人王を受賞した。スターティング・ラインナップに同じチームの複数のルーキーが並んだのは史上初だ。
チームのみならず、リーグが違う選手に枠を広げても、同じ試合に複数のルーキーが先発出場は、福留とソトの1組だけ。今年のファン投票で選ばれたジョシュ・ヤング(テキサス・レンジャーズ)とコービン・キャロル(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)が2組目となる。
果たして、大谷と千賀は今年のオールスターゲームでどんな活躍を見せてくれるのか。新たな歴史がまた刻まれる。
著者プロフィール
宇根夏樹 (うね・なつき)
ベースボール・ライター。1968年生まれ。三重県出身。MLB専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランス。著書『MLB人類学──名言・迷言・妄言集』(彩流社)。
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