筒香嘉智は活躍してもしなくても「構わない」。パイレーツ専門メディアが伝えた期待度 (2ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by Kyodo News

 パイレーツの地元紙『ピッツバーグ・ポストガゼット』のジェイソン・マッケイ記者にチーム事情について尋ねると次のように返答した。

「今季、チームの打撃力はほとんどがメジャー最下位、あるいは最下位近くにいます」

 今季のパイレーツには長打力が圧倒的に欠けている。8月17日時点の成績によれば、チーム打率は.235でナ・リーグでは11位タイではあるものの、チーム全体の長打率は.361、ホームランは92本、得点は404点とすべてにおいて最下位で、得点力不足に苦しんでいる。

 また、マッケイ記者は「パイレーツは若いチームで、コンスタントに結果が残せる選手が必要だった」とチームの欠点を述べ、それを埋めるため、筒香の打力が求められたのではと予想する。

 実際、『ピッツバーグ・ポストガゼット』は、筒香の入団が発表されたその日、パイレーツのデレック・シェルトン監督のコメントを次のように紹介している。

「彼の打球にインパクトがあるところが気に入っている。(ドジャースの)マイナーでは明らかな改善がみられた。そんな彼に私たちは興味を持ち、ここピッツバーグで機会を与えたいと考えた」

 筒香は6月17日から8月13日までの間、ドジャース傘下で43試合に出場し、打率.257、10本塁打、32打点という成績を残している。また、筒香のSLG(長打率)成績を見ると、6月は.333、7月は.533、そして8月は.677と月を追うごとに上昇していた。
 
 マイナーで試合を重ねる毎に、その打撃力を徐々に取り戻していた筒香は、長打力と得点力に欠けるパイレーツにとって魅力的だった。また、獲得条件もドジャースがレイズから受けたものと同様、レイズが引き続き筒香の残りの年俸を負担すると報道されている。つまり、チームの財政的にもありがたいものといえる。

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