大谷翔平「二刀流」に懸念。地元記者「投手と打者、どちらも平凡に」 (2ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by Sankei Visual

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 春先にも異変はあった。キャンプ中断前の3月、大谷は右足を少し上げる「レッグキック」という打法を試していた。しかし、開幕直後は従来の足を上げない形に戻し、途中からは再び足を上げる形に変えるなど、試合や投手によって打ち方が固定しなかったのだ。

 前出のディジョバンナ記者は、「3週間のサマーキャンプや開幕直後の数試合で、フォームを固める時間は十分ありましたが......」と言葉に詰まった。このように、さまざまな打撃不振の理由を報じられてきたが、米メディアの関心は大谷が"二刀流"の継続に意欲を見せていることに移っている。

 6年連続でプレーオフ進出を逃したエンゼルスは、今季終了と同時にビリー・エプラーGMを解任。エプラーGMは2017年オフの大谷獲得に尽力し、メジャーでの"二刀流"への挑戦を後押しした存在だっただけに逆風が吹くかとも思われた。だが、チームは大谷の挑戦をサポートすることを明言している。

 しかし、米メディアからは長期的な"二刀流"継続を心配する声も上がっている。

 スポーツ専門メディア『ザ・スコア』は「今季のケガは、"二刀流"を長期的に継続できるかどうか、チームに再び疑問を投げかけた」と報じた。また、『ジ・アスレチック』も「チームにとって、大谷のピッチングは長期的な懸念事項になるだろう。まだ試す価値はあるが、もし次に失敗をすれば、投手としては終わる可能性もある」という内容を掲載している。

 こういった意見について、エンゼルス番記者たちの見解はどうだろうか。

 ディジョバンナ記者は、「投手では"支配的"になれると思いますし、打者ではクリーンナップを担える力があります」と大谷の能力を認めた上でこう続けた。

「この3年間で、彼の体は"二刀流"の厳しさに耐えられないことが明白になったと、私は思います。今後、投手と打者の成績がどちらも平凡になるか、故障続きで過ごすことになるのはもったいない。彼とチームは、投打のどちらかを選択したほうがいいと考えます」

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