野茂英雄の記録を田中将大は
追い抜けるか。絶滅寸前の「完封勝利」 (3ページ目)
たしかに現代のメジャーリーグでは、完封勝利が難しくなってきました。なぜならば、先発・中継ぎ・抑えの分業制がこの25年間でさらに進んだからです。
それに加えて、先発投手の球数もケガの防止で制限されるようになりました。極端に言えば、ノーヒットノーラン級の快投を続けていても、球数の問題だけで交代させられることも珍しくありません。
それには、時速100マイルを誇る剛腕リリーバーの存在も関係しています。先発投手がスタミナと球速を保ちながら好投していても、ブルペンにはそれ以上にボールが速く、三振を奪える投手たちが控えているからです。リスクを回避するため、リリーバーと交代させられるケースも増えてきました。
また、近年の傾向であるホームラン数の増加も影響しているでしょう。すばらしいピッチングをしていたのに、たった1球の失投によって完封のチャンスを逃してしまったゲームも多く見られます。
42年前の1978年は1034完投のうち、完封数は238もありました。しかし、球団数の増加に伴い試合数が増えているにもかかわらず、完投数、完封数はともに年々減少。1995年に野茂投手がデビューしたシーズンは275完投、88完封まで減りました。
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